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シュン、と静かに響いた部屋が密室になる音に、ティエリアはふっと意識を取り戻した。
は、と掠れた吐息を漏らし、次いで再び瞼をゆっくりと伏せる。体が泥の様に重い。指一本動かすのすら億劫とは、これは一体どうした事か。
(……ああ)
其処まで考えて、ティエリアは先程まで行われていた強姦めいた情交を思い出した。
あくまで強姦めいた、であって、ティエリアにとっては合意の上だ。例え彼がどう思っていようとも。
「………ロック、オン」
体に不快感は無く、汚れたシーツも新しいものに取り替えられている様だった。体が重い割に痛みを感じないのは、もしかしたら痛み止めか何かを打たれたか飲まされたかしたのかもしれない。
そんな細かい所はそっくりだ、とティエリアは苦笑する。
「……ロックオン」
改めて彼に抱かれて、―――自らの意思で彼に抱かれて、気付いてしまった事が、ある。
「ロックオン」
顔も仕草も、たった一つの肝心なもの以外は全て似ていると思っていたのに。
抱き方は、丸っきり違っていた。
『彼』は、あんな風にティエリアを抱いたりはしなかった。
―――それはつまり、こうして体を重ねる時だけは、彼の望みを叶えられるという事だ。
「ロックオン」
せめてもの償いにと、捌け口位にはなれるだろうと体を差し出しただけだったのに、思わぬ収穫を得てしまった、とティエリアは小さく微笑ってその名を繰り返す。
幾度も、幾度も、掠れた声で。
他でもない、彼自身へ向けて。
「…―――ロックオン…」
繰り返すこの名が、永遠に彼に届かないといい。
それはきっと、ティエリアにとって何よりもの罰になるだろうから。
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flavour (03/31)

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