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 オレンジのハロに画像データを転送させて、自室白い壁に目一杯、彼の笑顔を映写する。
「……んっ……」
 ホンモノの彼は宇宙の塵になってしまった。刹那が見たという最後の微笑み、それはこの写真と同じようにどこか寂しげであったという。
 僕さえ、僕が、と飽きるほど後悔し尽くして、まだ足りなくて。自分を無限以上にひたすら休まず責め続けて。
「あ、あっ……や、だめぇ……ん」
 それがいつの間にすり替わったのだろう。
 ティエリアは壁に正対して座り、下半身だけ何も纏わず足を大きく開いていた。弄りすぎて真っ赤に怒張した性器。先走りを塗りつけた竿全体が映写機の光に青く艶めく。ぬるぬるした不快な感触はよけいティエリアを淫猥にそそり、不謹慎な行為に耽る羞恥を煽り立てる。
「……も、ゆるして……あ……ああッ……」
 軽く内向けた手のひらで擦り、先っぽを細かく引っかいて。ティエリアは執拗に両手を使って自らを攻める。根元へ結わえた紐が食い込む息苦しさに頭を揺らす。
 顎を持ち上げて映像を見れば、背筋へ走る鈍い痺れ。ミリ単位まで正確に狙撃する瞳にみんな見られている。すっかりべとべとになったものも、容赦なく自身をいたぶる指も。半開きにして厭らしく唾液をしたたらす唇、いびつな快感に恍惚とした無様な表情、ティエリアの、まるで見境ない獣のような、彼だけに向ける執着心。
 塞き止められる絶頂に太股を痙攣させながら、なおも親指の腹で尿道をこじ開けた。堪え切れず紐の結び目を乱暴に爪で掻き毟る。だが濡れそぼった紐がきつく締まって解けない。視界が明滅して指が強張り、がくがくと全身が愉悦に跳ねる。もう限界だ。
「たすけてっ……で、でちゃう、もれちゃうっ」
 情けなさに涙が出てきた。両手でぎっと強く性器を握り込む。
「……ロックオン……ッ!!」
 こうでもしないと、泣けなかった。
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flavour (03/31)

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